リサイクル

Reclaim Wool Project    -RWOOP-

*Reclaim=取り戻す 再生利用 立ち直る

古来より受け継がれてきた、資源を大切にするモノづくり
尾州で今も息づく、ウールの再生利用という文化
使い古された繊維に、新しい命を吹き込む
ーReclaim Wool Project はじまります。

サステナブル

9200万トン

この数字は、世界中で廃棄されている繊維製品の年間廃棄物量です。このままだと2030年には、その数1億4800万トンまで膨らむと推定されています。膨大な量の衣料品が行き場を失い、ゴミとして捨てられています。特にポリエステルに代表される化学繊維は、自然界では分解されず、マイクロプラスチックとなって海洋汚染にも関与しています。
ファッション産業は環境汚染に加担する主な産業と言われて久しいですが、そんな我々だからこそこの不名誉な事実と真正面から向き合う必要があると考えます。

私たちの拠点のある「尾州」は、ウールを中心とした繊維製品の生産と共に栄えてきました。その生産活動の一つに、反毛と呼ばれるウールのリサイクル技術があります。 日本では輸入に頼らざるを得なかった羊毛。この貴重な資源を無駄にしない為、先人たちの知恵と努力によって生み出された技術です。
明治末期から行われてきたサステナブルな取り組み。我々はこの活動をあらたに「Reclaim Wool Project」と題し、回収から製品まで積極に関わりながら、持続的低炭素社会の実現に向けて動き出します。
 

再生利用
資源回収


Collect&Crush

リサイクルウールの原料となるものは、本来であれば廃棄されてしまうようなものたちです。例えば、洋服の製造過程で発生する布の端切れ(裁断くず)、余剰在庫となってしまった糸、着古されたセーターなどの中古衣料品です。これらはその中に含まれるウール混用率や色味ごとに仕分けされ、ウールが80%以上含まれるものがこの尾州地域に集められます。
 集められたリサイクル原料たちは、人に手によって細かく切り刻まれます。裁断くずは耳端を切り取り、古着はボタンやラベルなどの附属品が丁寧に取り除かれます。
また、本来の糸の太さによっても仕上がりが変わってくるため、そういった細かい仕分けも行われていきます。カシミヤやアンゴラなどの獣毛混も同じく仕分けしていきます。

廃棄物
再生糸
サステナブル

Reclaimed

切り刻まれたピースたちは、新たな繊維としての命を取り戻す歩みをはじめます。
反毛と呼ばれる工程を経て、一度生地や糸になったもの達を再びワタ状にまで戻していきます。ほぐしやすくするために油を打って繊維質を弱らせながら、荒打ちと中打ちの2種類の機械を通して更に細かく砕いていきます。その後、ガーネットマシンと呼ばれる無数の針がついた機械に通していきます。
色が混ざらないように、白/黒/中間色で使用するマシンを使い分け、大きく3つのシリンダーの針山を越えていくと、次第に繊維が開かれてふわふわのワタへと生まれ変わります。

職人
リサイクル
再生
伝統
反毛
繊維

Spinning&Weaving

反毛によりワタ状に生まれ変わったウールですが、それだけでは糸に紡ぐことが出来ません。何度も砕かれほぐされていく度に、繊維の長さが短くなり撚りがかけられないのです。その為、ここでつなぎとなる別の原料をブレンドします。そうすることにより衣服用の糸として耐えられる強度が実現します。
一般的に、このブレンドにはポリエステルやナイロンなどの様々な化学繊維をミックスしたものが用いられてきましたが、我々はこの部分の原材料にも着目し、環境負荷の少ない素材へと切り替えていきます。

そうして生まれ変わったウールの糸は、尾州の職人たちの手によって織られ、様々な整理加工を施されることにより、新毛と比べても引けを取らない風合いを持った生地へと再生されます。

紡績
反毛
毛七
紡毛紡績
毛七
紡毛紡績